ウェブ解析の視点で考えるデジタル世界のユニバーサルデザインとは?

リニューアル案件を担当することになり、現行サイトのウェブ解析をしているときに、ふとナビゲーションにこの項目は必要なのだろうか…そんな疑問を持ち、いろいろ考えてみたことを記事にしてみました。

すべての人に平等であるべき…、その思想は大事なことではあるけれど、私はただ情報を提供するだけがユニバーサルであるとは思いません。

タイトルはユニバーサルデザインとしましたが、これは単にクリエイティブという発想にとどまらず、「ビジネスをデザインする」そのデザインの発想につながる考え方として受け止めていただければうれしい限りです。

 

誰もが平等であるウェブサイトとは?

2年前にCEATEC JAPAN 2014という展示会で参加した「アクセシビリティセミナー2014」セミナーについて、記事にしたことがありました。

過去の記事はこちら
アクセシビリティって何?>>

その時、学んだことはウェブのアクセシビリティについてどうあるべきか、ということでした。情報は誰にでも適切に伝わるべきとして、例えば、目の見えない人には音声ソフトを使って識別できるように画像のALTタグに画像に何が書かれているのかを埋め込み、耳が聞こえない人には動画などに何が語られているのかテロップやキャプションを入れ、情報が伝わるようにという工夫が求められていました。

そして、特に当時興味深かったのは、アメリカの航空アクセス法の改正、2016年4月「障害者差別解消法」が施行されるということで、それらのアクセシビリティがどのように根付いていくのか、という将来像でした。

当然、ウェブサイトには、誰でも見ること(または聞く)という行為で情報が伝わる世界になってきていますが、少々期待を裏切られた未来を今見ています。それは、とてもすばらしい考え方に則っていると思います。

平等であるべきウェブサイトというのは、自分自身で勘違いしていたことに気付かされました。

 

真のアクセシビリティを知る

私は法律の専門家ではないので、アメリカの法律のことはよくはわかりません。なので、当時のセミナーで聞いたアメリカの航空アクセス法そのものがどういうものかもわかりません。ただ、ウェブサイトを見ることで、どういうことに準拠することとなったかは推測することはできます。

 

accessibility01画面引用:http://www.delta.com/

 

こちらはデルタ航空のサイトです。彼らのウェブサイトには下の方に「Accessibility」の項目があります。そこをクリックすると中身は「TRAVELERS WITH DISABILITIES」というタイトルのページが現れます。

 

accessibility02

画面引用:http://www.delta.com/…

DISABILITIESとは障がいということを意味します。障がいを抱える旅行者への案内が書かれています。
コンテンツは、アクセシビリティを考慮したポリシーを掲げるのではなく、障がいを持つ方へのサービスの障害が丁寧に記載されています。

 

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画面引用:http://ja.delta.com/…

 

日本語のキャプチャーの方がわかりやすいですね。

アメリカの法律とのことですが、この航空法というのはアメリカ国内に乗り入れる航空会社であれば、すべて適用されるというお話を聞きました。ということで、日系の航空会社ANA(全日空)やJAL(日本航空)を見てみると同じように案内があることがわかります。

 

ANAのウェブサイトより

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画面引用:http://www.ana.co.jp/

 

JALのウェブサイトより

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画面引用:http://www.jal.co.jp/

 

JALのウェブサイトの詳細を見ていくと、様々な障がいに合わせた対応についてサービスの案内があります。

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画面引用:http://www.jal.co.jp/

例えば、目の不自由な方でも、予約時から搭乗、機内、到着についての詳細がわかります。それは、単に健常者と同じサービスではありません。係員がどのように応対するのかが親切に書かれています。これなら、体に不自由があっても、安心してサービスを利用できます。

平等であるべきウェブサイトという定義ですが、正しくは、その人に合わせた情報提供をいかにスムーズに行えるか、それがユニバーサルデザインにつながる真のユーザビリティであり、真のアクセシビリティなのだと思います。

誰でも同じ情報が見えて、読めればいいというわけではないのです。必要とする人にそのサービスが提供できなければ意味がないのです。つまりは、ビジネスのゴールもそこに描かれなければならないということです。

 

デジタルの中に定義するユニバーサルデザイン

ただ、何らかの情報を読んでもらい知ってもらうだけなら、これまでのウェブアクセシビリティの考え方を踏襲すればよいのかもしれません。今回書いた内容の例は、障がいについてのアクセシビリティをメインにしましたが、あなたのビジネスの先にその人に合わせたサービスがあるのであれば、それがその人達に適切に伝わるように誘導し、サービスの内容を理解してもらうことが大事なのです。

もし、ウェブのユニバーサルデザインを考えるなら、使い勝手のアクセシビリティもとより、サービスやビジネスの全体を捉え、伝える手法や伝えるべき内容を設定するのが先決です。

さて、私が悩んでいた冒頭のナビゲーションですが、5%の人に伝えるべき内容は誘導方法を別に検討しようと思います。よりベターな手法で、その人たちを案内できます。そして、残り95%はウェブ解析の視点で優先順位をつけ、ビジネスに優位な戦略を持って改善提案に臨みます!

 

日々何かに戦うサラリーマンの戯言でした。
それでは、ごきげんよう。