次世代のウェブ解析を目指すために(3)

 

第3回 広告のスイートスポット

 

先日、MarkeZine Day 2015 Springのセミナーでマーケティングオートメーションが注目されていることを以前にも書きましたが(過去記事:2015年のトレンドはマーケティングオートメーションと加速する動画ビジネス)、データの活用がこれまで以上に浸透していく中、ウェブ解析の技術やスキルも向上させなければならないことを痛感しています。

 

次世代のウェブ解析という表現が適正化どうかはわかりませんが、一歩上をいく情報としてKenshooさんが発表しているレポートについて思ったことを書きます。

 

20150408_1

 

 

レポート資料はこちらからダウンロードできます。
Kenshooさんレポートダウンロードサイト(日本語版)>>

 

過去の記事から読まれる場合にはこちら

次世代のウェブ解析を目指すために(1)
第1回 動画の解析でユーザーの心をつなぐ>>

次世代のウェブ解析を目指すために(2)
第2回 スマホアプリのゲーム広告>>

 

 

 

この資料との出会い

MarkeZine Day 2015 Springでのランチセッションでお話をお伺いしました。その時こちらの内容もお話いただいたのですが、短い時間でしたのであまり詳しくはお聞きできず、やはりとても興味がありましたので、こちらのサイトから資料をダウンロードしました。

 

Kenshooさんは海外を拠点としてマーケティングソリューションを提供するベンダーさんです。私はお恥ずかしい話、存じあげておりませんでしたが、ソーシャルメディアにも強くクロスチャネルを知見的、かつ横断的にデータを活用し、ユーザーにプロモーションできるといったテクノロジーがあるところが強みのようです。

 

そのレポートとはリスティング広告とFacebook広告の連動と最大値の投資の見極めについて書かれているものでした。相乗的に活用して効果があるというところは想定できますが、広告設定もバランスが必要だということ。そんな検証結果のデータを見ることができます。

 

 

広告のスイートスポットとは?

見ていただきたいレポートは、以下のリンク先にある「Facebook Added Value シリーズ: ボリューム2 – リスティング広告とソーシャル広告の投資バランスのスイートスポット」です。

Kenshooさんレポートダウンロードサイト(日本語版)>>

 

レポート自体の公開は2014年6月公開のものですが、広告への投資ならびに市場自体が拡大傾向ですのでとても参考になる情報です。こちらのレポートは、Facebook広告がリスティング広告のパフォーマンスにいい影響があり、Facebook広告費の比率が高くなるにつれて、クロスチャネルへの波及が高まるという結果を出しています。

 

考察点は3つありました。

(1)リスティング広告とFacebook広告を戦略的に組み合わせることでパフォーマンスが向上。

(2)Facebook広告費用のレベルが上がると、リスティング広告のパフォーマンスも上がる。

(3)広告主は同様のテストをすることで、リスティング広告とFacebook広告のクロスチャネル効果を最大化かつ広告費の最適な比率を出せる可能性がある。

 

調査は、リスティング広告のみ、Facebook広告とリスティング広告を実施した3グループ(3つはそれぞれ投資レベルを変えています)の合計4グループを対象にしています。
※調査方法などの詳細はレポートをお読みください。

 

(1)は、Facebook広告を表示した方がコンバージョン数、コンバージョン率が上がり、顧客獲得単価の低減につながったという結果です。(2)は、Facebook広告への投資が増えるとリスティング広告のクリック数やコンバージョン数が上昇していくという数値が見えます。

 

(1)(2)でリスティング広告をFacebook広告をうまく掛け合わせすことで相乗的に効果を発揮することがわかります。その一方で、(1)(2)のように広告投資を増大させ続けても成果を得られるわけではなく、効果を最大化できるポイントが数値で表せることを(3)として挙げています。

 

新聞の折り込みでスーパーの激安チラシを1km圏内に配っていたものを、2km、3km圏内に拡大して配ったとしても広告の効果、ならびに売上は正比例するものではありません。では、1km圏内の方に3日連続で激安チラシを配ったら…。同じように効果が倍増するかというとそうではありません。どんなにお得な情報だったとしても対象の条件を拡大したり持続し続けると、収益性が弱まるという考え方があります。

 

レポートではレストランのチラシ例でしたが、このように広告と収益性の関係性は増大し続けることが重要ではないことがわかります。

 

 

調査では、Facebook広告と連動させた3つのグループがありました。その中でコンバージョン率が最も高く、顧客獲得単価CPAの値が最も低いポイントが存在したということです。これが広告のスイートスポットです。

※補足:スイートスポット(sweet spot)とは、テニスやゴルフなど、ボールを打つ際の最適な場所、打点を表すことをいいます。ですので、広告のスイートスポットというのは、同じように最適なポイントがあるという表現で使われています。

 

20150408_2画像引用:http://kenshoo.com/fbaddedvalue2/

 

広告の連動と投資額(レポート上ではレベルとしていますが)で、広告の効果が変動するというのは大変興味深い内容でした。アメリカの検証データですべてのビジネスにおいてこのようなスイートスポットが存在し、同じようにあてはまるかというと明言は難しいですが、このようにメディアをクロスして効果を検証するという手法で適正を知ることができそうです。

 

今はそれぞれのメディアの指標を見て、広告の効果、効率性を判断していますが、ゆくゆくは広告掲載のメディアやチャネルの連動性を考慮しながらバランスを見極めることがデジタルマーケターのスキルとして必要になってくるのかと思いました。

 

と、全体的には広告の話になりましたが、「次世代のウェブ解析を目指すために」を3回シリーズで書いてみました。来年にはまた別の考え方やソリューションが出てくるのかなぁなんて…。テクノロジーの進化についていくのが大変です。。。
それではごきげんよう。